外付けHDDや機材のケーブルを探していると、 たまに出会うのが USB 3.0 Micro-Bという端子です。USB‑Cでもmicro‑Bでもない、今回はこのあまり見慣れないUSB 3.0 Micro-Bについての話です。
USB 3.0 Micro-Bってどんな端子?
USB 3.0 Micro-Bは、見た目がかなり特徴的です。
- USB2.0‑Micor-Bの横に端子が増設されてるような形
になっており、平べったい端子と形容されることが多いかなと思います。

仕様は以下のようになっています。
| 正式名称 | USB 3.0 Micro-B(SuperSpeed Micro-B) |
| コネクタ形状 | Micro-Bの右側に横方向の拡張端子を追加した二連構造 |
| ピン数 | 10ピン(USB 2.0 Micro-Bの5ピン+SuperSpeed用5ピン) |
| 最大転送速度 | 5Gbps(理論値) |
| 実効速度目安 | 約300〜450MB/s(機器・ケーブル依存) |
| 最大電力供給 | 5V / 900mA(約4.5W) |
| 通信方式 | フルデュプレックス(送受信同時) |
どこで使われているの?
特に多いのが外付けHDDケース。特に2.5インチ用HDDケースは結構な採用数だと思います。だた、あまり他の用途での採用は見かけないかもしれません。

なんであまり普及しなかったのか
理由はいくつかあります。
耐久性が低い
Micro-B自体がそもそも
- 薄い
- ピンが細い
- 基板実装部が弱い
という弱点を持っています。
そこに
- ピン数を倍(5 → 10)
- 横方向の拡張
を入れたことで、モバイル用途に向かない構造になりました。
それでも抜けにくい構造はしてるのですが、それが逆に外付けHDDなどでは
- ケーブルをぶら下げる
- 持ち運び中に引っ張られる
などコネクタ破損による本体死亡という事故につながることが多かったようです。
USB Type-Cの登場タイミングが最悪だった
USB 3.0 Micro-Bが広まりかけた頃にUSB Type-Cが登場します。
Type-Cは:
- 表裏なし
- 小型
- 高耐久
- 高速(後に10Gbps以上)
- 給電も統一
メーカー視点ではMicro-Bを採用する理由が無くなってしまいました。
結果的に、新製品はType-C採用へ、Micro-Bは採用は激減、ということになりました。
現在のUSB Type-Cの採用数をみると圧倒的ですよね。
それでもUSB3.0‑Bが使われた理由
当時のUSB規格候補と却下理由
候補比較(2010年代前半)
| 規格 | 却下 / 採用理由 |
|---|---|
| USB 2.0 Micro-B | 速度不足(HDD性能が頭打ち) |
| USB 3.0 Type-A | デバイス側に使えない |
| USB 3.0 Type-B | サイズが大きすぎる |
| USB Type-C | 存在していない / 高価 |
| USB 3.0 Micro-B | 条件をギリギリ満たす |
USB 3.0 Type-Aは基本的にホスト側(給電側)に使われるので、デバイス側には採用されません。つまり消去法的にUSB 3.0 Micro-Bしか選択肢が無かったのです。
バスパワーで2.5インチHDDを安定駆動できた
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 供給電力 | 5V / 900mA |
| 2.5″HDD要件 | 起動時に約700〜900mA |
| 結果 | Y字ケーブル不要になった |
セルフパワーハブが必要なくなったり、電源ケーブルを別途用意する必要がないなど、ユーザー体験は改善されました。部品数が減り、トラブルも減るのでメーカー側としても喜ばしいことだったようです。
USB 3.0帯域はHDD性能と釣り合っていた
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| HDD実効速度 | 100〜150MB/s |
| USB 3.0実効 | 300MB/s前後 |
| 余裕 | 十分あり |
USB3.0の帯域を使えれば、おおよそHDDの転送速度と釣り合いがとれるので、スピードという点も何とかクリアできていました。
今から使うならどう考える?
もし今から買うなら、できるだけUSB-Type Cを選ぶのがいいと思います。実際外付けケースはUSB-Type Cを採用するものも多くなりました。
ただ、いまだにUSB 3.0 Micro-B採用しているケースが多いのは、2.5インチケースは「余ったHDDをつかう」という需要が多いので、できるだけ安くケースを買いたい層が多いため、設計開発が償却できた、USB 3.0 Micro-B採用ケースの方が安く提供できるという理由もあるようです。
実は素性のいいUSB-Type Cケーブルを一本買うより、USB 3.0 Micro-B採用でケーブル付のケースを買う方が安かったりします。
安さを優先するならUSB 3.0 Micro-Bでもアリだったりします。
正直な感想
USB 3.0 Micro-Bは、
- 技術的には悪くない
- でも時代に置いていかれた
そんな端子です。そもそも2.5インチHDDケースを買おうとおもわない限りあまり見ないと思うので、そもそも存在を知らない人も多いかもしれません。
時代に取り残されたけど、事情でかろうじて生き残っている端子、それがUSB 3.0 Micro-Bです。


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